Mecir's Tennis (180) テイクバックで肩を入れるためにラケットをうまく使いましょう
フォアハンドミスの一つに、左肩が十分に入らないということがあります。いわゆる、体が開くという症状です。これを避けるために、テイクバックでラケットをうまく使う方法があります。つまり、左手でラケットを持ってそのラケットを(体の前で)ボールの飛球方向と平行になるまで回すイメージです。これにより、いくつかの利点があります。左肩がきちんとネット方向を向く。左手でラケットを持つためにテイクバックが大きくなりすぎ...
View Article全米オープン2013 男子1回戦 あっという間の錦織敗退
何の気なしにテレビをつけていたら錦織の1回戦が始まったので、初めから終わりまで観戦してしまいました。観戦する気がなかったという事は、つまり、「今の錦織だったら1回戦敗退はないだろう」と思っていたという事です。こんなふうに、今の錦織のことを「当然のように3回戦、4回戦にまで進む選手」というイメージで思っている人は多いのではないかと思います。が、フェデラーだって、ナダルだって、1週目に敗退するのです。錦...
View ArticleMecir's Tennis (181) なぜインサイドアウトなのか
現代テニスでは、フォアハンドをアウトサイドインで巻き込むように打つそうです。私にはその理由は(まったく)分かりません。ただ、私が若いころは、スイングはインサイドアウトだと教わりました。メシールのテニスは「昔のテニス」ですので、もちろん、スイングはインサイドアウトとなります。その理由はなんでしょうか。とても簡単な理由です。図を見てください。スイングの軌道では、インパクトまで(つまりフォワードスイングで...
View Article全米オープン2013 哀愁のフェデラー
全米オープンは、毎年8月の終わりから始まり、9月の頭までの間にニューヨークで開催される。まだ暑い日が続くが、それでも少し秋の気配が感じられるようになる季節だ。これから暑くなるという全仏オープン、全英オープンと比較して、少しさみしい、哀愁を感じはじめる季節に開催されるのが全米オープンだ。グランドスラムの中でも最もにぎやかで喧騒の会場で開催される大会とこの季節感のコントラストが私にはいつも奇妙に感じられ...
View ArticleMecir's Tennis (183) オープンスタンスのポイント:左ひざを折り込む
メシールは、プロテニスプレーヤーの中で初めてオープンスタンスを主体としてフォアハンドを打った選手だと言われています。より正確に言うと、ほとんどのボールをフォアハンドで打った初めての選手がメシールです。実際、メシールのビデオを観ていると、短いボールなどを除いては、ほとんどのフォアハンドショットをオープンスタンスかセミオープンスタンスで打っています。今は一般的なこの打法ですが、メシールが活躍した1980...
View ArticleMecir's Tennis (184) テイクバックで左手を前に伸ばさない理由
フェレールのフォアハンドは、まっすぐ伸びた左手が特徴的です。一方、メシールはテイクバックで、左手を前に出します(重要!)が、左ひじを突き出すというのが正しいイメージかもしれません。...
View ArticleMecir's Tennis (185) 練習ではうまく打てるのに試合になるとダメな人へ(1) ポジショニング
練習ではうまく打てるのに試合になるとダメな人は、比較的多いと思います。「練習では試合のように打ち、試合では練習のように打つ」とよく言われます。試合では緊張したり、ミスをしないことを優先するあまり、腕がビビる状態になるのでしょう。メンタルがその理由だということです。確かに、それは、誰しもが経験することです。が、理由はそれだけでしょうか?たとえば、特別な大会ではない気楽な、しかもできれば自分が普段、比較...
View ArticleMecir's Tennis (187) 攻撃型と守備型についての考察
テニスで攻撃的、守備的という区分けは比較的簡単です。サーブアンドボレーヤーは攻撃的、ベースライナーは守備的。メシールの時代で言えば、マッケンロー、エドバーグ、ベッカーなどは攻撃的、メシール、ヴィランデル、レンドルは守備的と言ってよいでしょう。最近のプロテニスでは、サーブアンドボレーヤーをほとんど見かけなくなったので、上の意味での攻撃的プレーヤーは少なくなりました。かといって、ベースライナーは守備的と...
View ArticleMecir's Tennis (188) フォアハンドのインパクトからフォロースルーにかけての左手の位置について
フォアハンドのインパクトからフォロースルーにかけての左手の位置について、メシールと比較的グリップが近いフェデラーと比較してみたいと思います。まず、フェデラーです。連続写真では、3枚目から4枚目のインパクトからフォロースルーにかけての左手の位置を見てください。これらを2枚目のフォワードスイングと比較すると分かりますが、フェデラーのフォアハンドでは、左手が先行して動き、その後で右肩が回転してくることが分...
View ArticleMecir's Tennis (189) 教科書には載っていないスピンサーブを打つコツ
スピンサーブがうまく打てずに悩んでいる人が比較的多いと思います。今回は、2回に分けて、スピンサーブを打つコツ(TIPS)を紹介したいと思います。一つは教科書に載っていないコツ、もう一つは教科書に載っているのに分かったようで実は分かっていないコツです。「スピンサーブの打ち方」というハウツーが世の中にはあふれていますが、どれを試してもうまくいかない人が多いのではないでしょうか。時々、スイングだけはマニュ...
View ArticleMecir's Tennis (191) メシールがビッグキャットと呼ばれた理由
現役時代に「あまり動いていないように見える」と言われていたメシールですが、一方でビッグキャットというあだ名をもらっていました。一見矛盾するこの2つの事柄は、ある一つのことを示しています。それは、メシールは(ちょうどレンドルのように)「どたどた」「どたばた」とは走らず、むしろ「すっ」と、別の擬音語を使うと「するする」と動いていたという事です。メシールのビデオをみて、メシールの『最初の動き』をよく分析し...
View ArticleMecir's Tennis (192) スピンサーブのコツ:右足を後ろに蹴り上げよう
連続写真は、メシールではなくアンディー・ロディックのサーブです。メシールとは全く違うタイプのプレーヤー(ビッグサーバ)ですが、最後から2コマ目の右足を見てください。後ろに跳ね上がっています。これは、ほとんどのサーバで同じようになるのですが、体が回転するのを止めるために意識的または無意識に行っていることです。どうしても体が回転してしまってスピンサーブを打てないプレーヤーは、意図的に右足を蹴り上げること...
View Article広島東洋カープ・前田智徳の引退
プロ野球・広島東洋カープの前田智徳が引退会見を開いた。いよいよ、来る時が来たのかと思った。プロ野球とプロテニス、日本と世界、全く違う土俵で、違う時代に戦っていて、おそらく互いのことは知らないであろう前田とメシール。しかし、その美しいプレースタイルと、選手生活の最後を怪我との戦いで終えたという点で、この二人に共通の何かを見てしまうのは私だけだろうか。私は、野球の打撃理論は分からないが、前田のバッティン...
View ArticleMecir's Tennis (194) 結局スイングは膝主導・膝が使えないとネットが増える
グランドストロークは腕で打ってはいけないと言います。背筋を使うのが効果的だと言います。肩をえもんかけのようにして回転すると言います。スイングを主導するのは腰の回転だと言います。しかし、一番の主導、そして主動となるのは膝です。膝がスイングを支配します。ニーワークです。面白いことですが、テニスでグランドストロークの技術は、末端の技術ほど上級者とそうでない人で差が際立ちます。末端というのは、つまりスイング...
View Articleガエル・モンフィス ~今、ナダルに勝てるプレーヤー~
今(2013年)の現役のプロテニスプレーヤーで、ミロスラフ・メシールに一番近いと思うのは誰か?今(2013年)の現役のプロテニスプレーヤーで、私が見ていて一番楽しいのは誰か?私には、この二つの質問の答えは、同じです。ガエル・モンフィス。フランスの黒人テニスプレーヤーです。現在行われている上海での大会で、モンフィスはフェデラーに勝って4回戦に進みました。私は、モンフィスのプレーを見るのが好きです。怪我...
View ArticleMecir's Tennis (195) 左手主導ではない!
ちょっとしたことですが、とても大事なことがあります。タイトルの「左手主導ではない!」は、右利きのフォアハンドについてのメッセージですが、そんな「ちょっとしたことだけれども大切なこと」の一つだと思います。最近の多くのテニスプレーヤーのフォアハンドストロークは(右利きの場合は)左手主導型だと思います。つまり、フォワードスイングで左手がまず前に出て、それに引きずられて右手が出てきます。左手が体の回転とスイ...
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