Mecir’s Tennis (249) ツボは一つだがスイングは一つではない
唐突ですが、まずフォロースルーについてです。スイングの中で腕に力が入るのは、フォロースルーです。ボールインパクト後に力を入れるイメージです。インパクト前に腕に力を入れると、スイングがぶれます。薄いグリップの場合はなおさらです。さて、フォロースルーで力が入るのですが、そのために必要なことは何でしょうか。それは、打点(インパクトポイント)を一つにすることです。いつも同じ打点でボールを打つのです。それによ...
View Article2014年ジャパンオープン男子決勝 ラオニッチvs錦織
錦織がまたジャパンオープンで優勝した。ATPワールドツアー500大会とはいえ、錦織は第4シードだった。しかし、第1シート(バブリンカ)と第2シード(フェレール)はツアー500大会であるにもかかわらず、あっさりと早いラウンドで敗退した。その意味では、第4シードの錦織も、第3シードのラオニッチも、運がよかったといえる。つまり、錦織にしても、ラオニッチにしても、この結果であまり浮かれているわけにはいかない...
View ArticleMecir’s Tennis (250) フォアハンドでは右脇を締めてはいけない(2)
フォアハンドで右脇(わき)を締めてはいけない(1)で、メシールのフォアハンドでは、テイクバックで右脇を締めてはいけないということを書きました。その理由について、別の角度から考察してみたいと思います。まずは、錦織のフォアハンドテイクバックを見てください。見事なまでに(?)右脇が締まっています。その結果、ラケットヘッドは6時方向を超えて7時または8時方向を向いています。これは、ウエスタングリップ(とくに...
View Article『目標の設定』についての考察
今回の記事は、あくまで私の私見である。インターネット等の報道または記事を見ての印象であるため、事実とは異なっているのかもしれない。その点をご了解いただきたい。少し前に、錦織がトップ10に入った時だか、2014年の全米オープンで決勝に進んだ時だったか、いずれにしても飛躍的な活躍をしたときに、解説の杉山愛さんがこんなことを言っていた。「錦織君のすごいのは、目標設定を世界のトップにおいていることだと思いま...
View ArticleMecir’s Tennis (251) フォワードスイングは親指側から
以前、「ラケット面はいつからいつまでボールに垂直になるか?」で、イースタングリップのフォワードスイングでのラケット面の動きについて書きました。これによると、イースタングリップのフラット系では(でも)、ラケット面は伏せてスイングされます。インパクトの時は(無意識に)ちゃんとラケット面が垂直のボールに当たります。これをテイクバックに焼き直して考えると、テイクバックでもラケット面は伏せられることになります...
View ArticleMecir’s Tennis (253) フラットドライブではテイクバックで折った腕を伸ばしていく
フォワードスイングからインパクトにかけて、二通りの打ち方があります。回転を重視する打ち方とボールに力を与えていく打ち方です。スピン系とフラットドライブ系と言ってもよいかもしれません。スピン系では、腕の体が一体として回転するイメージです。フラットドライブ系は、フォワードスイング開始時には体と腕が一体ですが、そのあと肩と腕は独自に動きます。今回は、このフラットドライブ系について書きます。具体的には、右肩...
View ArticleMecir’s Tennis (254) 背中を曲げない・上体を立てる・ボールとの距離を取る
等も書いていることですが、フォアハンドでは背中を曲げず、上体を立てます。肩をエモンカケのように回転させます。そのためには、ボールと体の回転軸の間に距離が必要です。肩の幅+腕の長さ+ラケット分だけボールと距離を取るわけです。この、肩の幅の分の距離感覚が難しいのです。ボールが体に近すぎた場合にはボールを打つことはできますが、遠すぎた場合にはボールを打つことができなくなります。その本能的な恐怖心が、ボール...
View ArticleMecir’s Tennis (252) ラケット面を伏せるとインサイドアウトになる
コートに立ち、一人でボールをバウンドさせてネット方向にフォアハンドでボールを打つ。コートで相手がいない時に時々試すことです。この時に、テイクバックからフォワードスイング、フォロースルーまでをラケット面を伏せ続けてみます。「フォワードスイングは親指側から」で書いた通り、親指側からスイングします。インパクト面でも本当にラケット面を伏せているとボールは数メートル先でバウンドしてしまいます。しかし、なぜか(...
View ArticleMecir’s Tennis (255) 実践編・テイクバックのタイミング(侍は半身で構える)
今までは、メシールのスイングの分析をしてきました。参考にしていたのは、試合前のゲームの映像。手持ちのビデオでは、試合前のゲームから収録されているものは少なく、数少ない練習の風景から分析をしてきました。これからは、実践編として、ゲームの映像などから分析した内容を説明したいと思います。今回は、テイクバックのタイミングです。つまり、ボールが飛んできてどのタイミングでテイクバックをするのか。言い換えると、ス...
View ArticleMecir’s Tennis (256) テイクバックの始動は「ラケットを引き上げる」
テイクバックの始動をどのような言葉にするとよいか、ずっと考えていました。テイクバックで大切なのは次の点です。腕で引かずに体の回転で引く腕に力を入れずだらんと垂らすラケットヘッドを下に向けるこのイメージに一番近い表現は「ラケットを足元から引き上げる」かなと思います。体で回転するイメージでは、どうしてもラケットヘッドが下を向かずに水平になったまま横に書いてしてしまうからです。ラケット(ラケットヘッド)は...
View ArticleMecir’s Tennis (257) レディーポジションでの手(グリップ)の位置
レディーポジションでは、次のことが大切です。腕に力を入れない。ひじを曲げない。だらりとたらす。(まっすぐに伸ばすのもNG)。手の位置はへそよりも下。(女の子のもじもじポーズ)ラケットヘッドを相手の方向に向ける。この「ラケットヘッドを相手に向ける」ためには、レディーポジションで両手(両手バックハンドなので両手でラケットを持つとして)を体の真ん中に起きたくなります。つまりグリップを体の中心線の上におきた...
View ArticleMecir’s Tennis (259) 軸を作る(「背筋をぴんと伸ばす」)
メシールのテニスでは(そして、おそらくほとんどのプレーヤーは)、体の軸を使ってスイングをします。軸は、地面と垂直になり、原則的には傾いてはいけません。一方で、スイングに力を与えるのは、腕の力ではなく背筋です。この2つを考えると、スイングで重要なのは背骨だということがわかります。背骨を地面に垂直に立てて、背骨を軸に回転します。背骨を意識することで、背筋の力でボールを打ちます。つまり、ボールが飛んできた...
View Article錦織のサーブ(マイケル・チャンの影響)
いよいよ、2015年の全豪オープンが始まった。ユニクロのWebサイトでは錦織モデル、ジョコビッチモデルの限定販売を始めたが、両プレーヤーのポロシャツは、半日で完売した。(私は間に合いませんでした。)その錦織の2015年初めの大会のゲーム(対ラオニッチ戦)をテレビで見た。錦織のサーブがよくなっていると聞いていたが、映像を見て驚いた。マイケル・チャンの往年のサーブと、フォームがそっくりだ。そのマイケル・...
View ArticleMecir’s Tennis (260) 回転半径と歩幅を小さめにしてみる
どうも調子が出ないなと思った時の対応策の一つとして、スイングの回転半径やステップの歩幅を小さくしてみるというのがあります。スイング(フォアハンド)の回転半径を小さくするというのは、やや脇を締め気味にするということです。(ぴったりと締めてしまってはいけません。)意識としては、「ペンギン」になったような感じです。こうすることで、肩の回転に腕が同期します。肩に引っ張られて腕がうごくという脳内イメージです。...
View ArticleMecir’s Tennis (261) クロスラリーを試してみると分かってくること
メシールのフォアハンドは、基本はオープンスタンスです。これについて分析したいと思います。まず、デュースコートどうしてのクロスのグランドストロークとアドバンテージコートどうしでのクロスのグランドストローク、打ち合って打ちやすいのはどちらでしょうか。私は、メシールのテニスでは、アドバンテージコートのクロスストロークだと思います。そういえば、今までに見たメシールのダブルスでは、男子ダブルス、ミックスダブル...
View ArticleMecir’s Tennis (262) 強いボールを打つ!
フォアハンドで強いボールを打つ方法。それは、背筋でボールを打つことです。しかし、もっと大切なことがあります。それは、背中を丸めない、ということです。背中を丸め内容にするためには、肩を張ります。肩を張るイメージの写真を見つけてきました。写真のように肘を絞って(広げないで)、背中側に肘を引っ張ります。または、背筋運動のイメージがよいかもしれません。私の場合、日常生活で猫背なので、強くボールを打つ場合には...
View ArticleMecir’s Tennis (263) 「懐が深い」という誤った幻想 ~スイングの途中にインパクトが来るという話
メシールのフォアハンドは、懐が深いと言われていました。現在のプレーヤーにも、懐が深いというプレーヤーは多くいます。マレーなどがそうかもしれません。「懐が深い」という言葉からは、「ボールを十分にひきつけて打つ」というイメージが湧いてきます。そして、それが誤った打ち方につながります。まず、メシールのグランドストロークをスローモーションで見ると、一つのことに気が付きます。それは、ボールが自分のこと―にバウ...
View Article2015年全豪オープン準々決勝 バブリンカvs錦織 バブリンカに必ず勝つ戦略が思いつかない
試合が終わって数日たってから、このゲームをビデオで観た。全豪オープンの開催地であるオーストラリア(東海岸)は日本との時差が小さい(2時間)ために、逆に試合を見る機会が減る。昼間は、仕事をしているためだ。このビデオで今大会(2015年全豪オープン)の錦織のゲームを初めて観た。一言でいうと、バブリンカが一枚も二枚も上手なゲームだったというのが試合全体を通じた印象だ。錦織が勝つ可能性はかなり低いゲームだっ...
View Article往年の名選手・九鬼潤さんが脱帽「錦織は別格。全豪優勝を狙える」
日刊ゲンダイの記事です。ネット上からいつか消えてしまうと思うので、要旨だけでも残しておきます。なお、一番最後の「九鬼先生に習いたい」という生徒は私ではありません(この時点では生徒ではなかった)ですが、自分のことを言われているような気がします。かつての戦績とはいえ全仏オープンでベスト32に入った元世界ランキング74位のプレーヤーから教わることができるのですから、その人に習いたいと思うのは当然なのではな...
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