Mecir's Tennis (239) 体とグリップの距離は遠すぎても近すぎてもいけない
メシールのフォアハンド、というよりも現在のほとんどのプロテニス選手のフォアハンドは、腕と体が一体になって回転します。これにより、体(体幹)の回転が腕を通じてラケットに伝わります。特に、グリップの薄いフォアハンドでは、ラケット面の微妙なずれがヒットするボールの大きなずれに直結します。したがって、スイングにおいてラケット(面)を高い精度でぶれないようにコントロールせねばなりません。その際、体から腕(ラケ...
View ArticleMecir's Tennis (240) 腰より高いボールの打ち方(テイクバックでの上腕の使い方)
メシールのフォアハンドではフォワードスイングにおいて上腕は必ず水平よりも下に向けるということを書きました。これは、腰より低い場合には簡単ですが、では腰より高いボールではどうでしょうか。腰よりも高いボールのテイクバックで、どのように上腕を下げればよいでしょうか。ここで大切なことは、腰より上のボールであっても、(腰より低いボールと同様に)下から上に振り上げるということです。「ラケットスイングは下から上」...
View ArticleMecir's Tennis (241) フォアハンドテイクバックで作るループ(1)
フラット系のグランドストロークでは、ラケットをまっすぐ引いてまっすぐ振り出すイメージがあります。実際、コナーズの厚いグリップでのフラットフォアハンドはこのタイプです。このタイプのスイングは、単調な(しかもスピードが速い)ボールには有効ですが、緩急を混ぜられた時に不利です。また、スピンポールに弱い(自分もスピンボールが打ちづらい)という弱点があります。もちろん、厚い当たりが打ちやすい、コースが狙いやす...
View ArticleMecir's Tennis (242) フォアハンドテイクバックで作るループ(2)
フォアハンドテイクバックで作るループ(1)で、メシールのような薄いグリップでもテイクバックでループを作ることがあることを書きました。ただし、いつもループを作るわけではなく、使い分けるということです。また、腰より高いボールの打ち方(テイクバックでの上腕の使い方)では、腰よりも低いボールではもちろん、高いボールでもラケットは下から上に振り上げる(そのためにはどんな場合でも上腕が下を向くイメージ)ことを書...
View ArticleMecir's Tennis (243) フォアハンドテイクバックで作るループ(3)
テニスをする者であれば、誰もが必ず一度は言われたことがあるはずです。「テイクバックが遅い、もっと早くラケットを引きなさい。」そのこと自身はもちろん間違いではありません。というか、大切なことです。メシールは、特にテイクバックの早いプレーヤーでした。テイクバックを早くせねばならないと思いつつそれが難しい理由の一つは、タイミングの問題だと思います。例えば、相手のボールが極めて遅い場合に、極めて早くテイクバ...
View ArticleMecir's Tennis (244) フォアハンドテイクバックで作るループ(4)
メシールのフォアハンドは、かつてレンドルのフォアハンドと比較されることがありました。ともに、チェコスロバキアのプレーヤーだったことも理由かもしれません。もう一つの理由は、(プロセスは違うものの)テイクバックで右肘が後ろに突き出ているため、テイクバックの写真では似ているたことがあるかもしれません。しかし、レンドルとメシールのフォアハンドは、実はかなり違います。レンドルのフォアハンドを見てください。実は...
View ArticleMecir's Tennis (245) なぜフォアハンドテイクバックでは左肩を入れるのか?
ほとんどのテニスの教科書には、「フォアハンドのテイクバックでは左肩を開かないようにします」「左肩を入れます」と書かれています。それは正しいのですが、どこにも、なぜ左肩を入れなくてはならないのかが書いてありません。多くのプレーヤーは、ただ経験的にそれがうまくいくからという理由で左肩を入れています。そして、私のような未熟(で頭でっかちの)プレーヤーは、その理解ができないためにいつまでもテイクバックで左肩...
View ArticleMecir’s Tennis (246) My edition of Mecir Warm-up
I have uploaded a video onto Youtube concerning with Mecir's warm-up, espacially forehand strokes.メシール練習風景の動画像をYoutubeにアップロードしました。ご覧ください。
View Article全米オープン 男子4回戦 錦織vsラオニッチ
「まだ喜べない。上まで行かないといけないというプレッシャーもかけてやっている。勝てないという相手はいないと思うので、上を向いてやりたい」ラオニッチに勝利した錦織のコメントだ。勝てないという相手はいない、そう思えることは素晴らしい。これは、自分の型ができたという自信からきている。誰にもで勝てると言っているのではない。自分の型で戦うことができれば、自分の能力を100%出すことができれば、どのプレーヤーに...
View Article2014年全米オープン 男子準々決勝 錦織vsバブリンカ
WOWOWでの放送が朝だったので、目が覚めてから第4セットと第5セットをテレビで観た。錦織が第5セットでマッチポイントを取った時、錦織の表情がアップになった。なるほど、勝つ人の表情はこうなんだと思った。それは、「よし、次のポイントを取れば勝てる」というような表情ではなかった。勝つか負けるかは、結果でしかない。結果を意識するのではなく、その過程を意識している表情。自分の中で次のポイントをどうとるか、次...
View ArticleMecir’s Tennis (247) タメを作る・ボールを落とす
錦織のグランドストロークを見ていると、往年の米国選手であるアンドレ・アガシを思い出します。アガシは、いろいろな意味で、テニスのスタンダードをひっくり返したプレーヤーでした。それは、テニスのプレースタイルだけではなく、テニスウェアやライフスタイルなどを含めて。錦織とアガシに共通するのは、その打点の高さでしょう。二人ともそれほどの長身ではなかったこともあり、打点が高いという印象があります。高いところでボ...
View Article錦織のエピソード(1)
錦織のグランドスラム準決勝進出は、当然のことながらメディアを賑わしている。錦織のことをよく知っているファンにはよく知られているのかもしれないエピソードが、この時とばかりにネット上のニュースで流れてくる。錦織の原点、松江市・グリーンテニスクラブの柏井正樹コーチ(54)は、小学生時分の思い出を懐かしんだ。「ボールコントロールは100人に1人でゲームセンスも100人に1人。2つ合わせて1万人に1人の天才だ...
View Article錦織のエピソード(2)
グランドスラム大会でここまで来ると、普段テニスを取り上げないめでぁいまで錦織を取り上げる。その結果、本当かどうか怪しいエピソードも出てくる。どこかのWebサイトで「トップランカーになった今でも、実家に帰ると両親と一緒に公営コートでテニスをねだる」というエピソードを見た。何とも微笑ましい、そして錦織のキャラクターが出るエピソードだ。かなり怪しいエピソードのような気もするが、一方で、家族団らんの時でも、...
View Article2014年全米オープン 男子準決勝 錦織vsジョコビッチ(1)
まだ試合途中(第1セットを錦織がとって第2セットに入ったところ)だが、すでに、錦織のテニスの技術がジョコビッチを超えたことがよくわかる。錦織は、多くのショットで、フルショットをしている。というよりも、フルショットができる。フルショットするということは、フルパワーでボールを打つことだ。それでもボールは相手のコートに入る。というよりも、そのショットでポイントを取ることができる。繰り返すが、フルショットだ...
View Article錦織のエピソード(3)
錦織が子どものころ、自分からラケットとテレビゲームを取り上げるのは生きるなと言っているのと同じだ、と文句を言ったことがあるそうだ。今、錦織とジョコビッチの全米オープン準決勝の試合中だが、解説の坂本さんが「錦織はラオニッチ、バブリンカと勝ち進んで次にジョコビッチと対戦することを、テレビゲームで画面をクリアするような感覚でエンジョイしている」と解説している。なるほど、そうかと思った。一方で、ジョコビッチ...
View Article2014年全米オープン男子決勝 サイバー世界での戦いと現実の戦い
錦織とチリッチというグランドスラムでの優勝どころか決勝戦の経験すらない二人の戦いとなる2014年の全米オープン男子決勝。日本人とクロアチア人でしかも2桁ランキング同士の決勝戦は、正直なところ、アメリカではそれほど盛り上がらないのだろうと思う。(アメリカのメディアは盛り上げようとするだろうが。)2009年3月23日の午後、私はアメリカ・サンディエゴでの仕事を終えて、ホテルのスポーツバーで一人で飲んでい...
View Article2014年全米オープン男子決勝 錦織vsチリッチ(ゲームボーイになれなかった錦織)
火曜日の早朝6時からの決勝戦。目覚まし時計をかけてWOWOWで観戦したのだが、最初の2ゲームぐらいで眠気に勝てずに寝てしまった。どこか、きっと錦織は優勝するだろうと思って…。だが、目が覚めた時に優勝していたのはチリッチだった。しかも、6-3、6-3、6-3というほとんどワンサイドゲームのストレート勝ちだった。グランドスラムの決勝戦としても、スコアから見る限り凡戦と言わざるを得ない。なんというあっさり...
View Article李娜の引退 「残念なことは何一つない」
どういうわけか、日本のメディアに記事が流れていない(または私が見逃しているだけかも)のだが、李娜が引退の記者会見を行ったようだ。(記事はこちら。)引退の理由は、モチベーションやメンタルなことではなく、膝のけがが理由のようだ。すでに、今年、ウインブルドン以来大会に出場できておらず、3度も大会を棄権している。年齢を考えると、復帰するのは難しいと判断した。李娜は、2011年全仏オープンと2014年全豪オー...
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